silent紬が嫌いは想定内。ドラマの狙いは感情の揺さぶりだった




silent第7話の放送を終え「紬うざい」「苦手かも」「共感できない」といった声が多く上がりました。なぜ一気に紬を嫌いになってしまったのか

それはこのドラマが、視聴者の身の回りでも起こり得るリアルな出来事や人物像を多く描いているからだと思います。

ここでは、紬が嫌いになってしまう出来事を振り返りながらこのドラマの狙いについて解き明かしてみたいと思います。




silent 紬が嫌いになってしまう出来事と要因

silent 紬 嫌い うざい マウント

出典:フジテレビ

紬のその行動ってどうなの?と思ってしまうような違和感のある行動がいくつかありました。

紬はあざとく計算しているのか?それともただ単にまっすぐな性格なゆえに配慮に欠ける行動になってしまっているのか?見ている側はとても混乱しました。

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奈々へのマウントとしか思えない行動

紬は奈々の連絡先を想から聞き、奈々を呼び出しました。

奈々からしたらタイマン張られる!なんか言われるに決まってる!と戦々恐々と構えていたことでしょう。

現に「『もう想くんと会わないで!』と言われると思った」と奈々は想に話しています。




それに自分が失恋した相手が好きな女性と会うなんてシチュエーションも嫌ですよね。よく覚悟して行ったなと思います。

そこへ紬は「佐倉くんと連絡がつかず、ずっと心配していたけど、8年間支えてくれていた大切な人だと佐倉くんは感謝している。」と奈々に伝えました。

なぜ佐倉くんの代わりに感謝を述べる?彼女気取りか?と捉えられても仕方ありません。

でも奈々は、それを伝えるために手話を暗記した紬の姿勢を見て、これは喧嘩を売られているわけではなさそうだ、

むしろこういう一所懸命なところを佐倉くんは好きなんだろうと理解したようで

手話がうまくなるには佐倉くんともっと話したほうがいいよ」と吹っ切れたように笑顔で返していました。

紬の性格上、わざとマウントを取ったように思えませんので、

佐倉くんの奈々への感謝の気持ちを知ったからには本人に伝えないと!と駆り立てられたように行動しただけ、とも考えられます。




紬より奈々の好感度が上がってるから

先の回で、奈々の切ない恋心(片思いだけど8年間楽しく過ごしていたのに紬の出現によって想の彼女になる可能性が消えた)ことや

叶わない夢(好きな人“想”と電話で会話したり、おしゃれなハンドバックを持って手をつないで歩く)ことなど

奈々に焦点が当てられ、奈々のことをより知ってからは、奈々を応援したい、擁護したくなるような気持ちが芽生えましたと思います。

そしてこの奈々の切ない恋心は、誰かに片思いをして失恋したことがある人なら感情移入しやすかったと思います。

「奈々あざといとか言っててごめん!」と奈々への謝罪ツイートがどんどん増えていきました。




紬の心変わりが早すぎてがっかり

湊斗から別れを告げられ「湊斗に片思いしている」「別れたくない」と紬は言っていましたが、

それからあっという間に想と会う時間が増え、おまけに「好き」だと想に告白している展開が早すぎて

「え、乗り換え早くない?」「ついてけない…」と一気に落胆しました。

ただ紬としては、ただの友達で通そうとしていたけど、昔好きだった人とあんな形で別れて再会して

こうして会える関係に戻って嬉しい気持ちがあるのも本当ということを考えると、

完全に善人ではない心の移ろいがリアルです。現実的にも起こり得るのではないかと思います。




紬と別れた湊斗派には耐えられない

主成分が優しさの湊斗と紬の別れだけでも見ていて辛かったのに、紬はさっそく湊斗に想のことで相談電話をしていました。

湊斗の立場にもなってあげてよと思われても仕方ありません。

ただ湊斗は想のことも好きなので、実際には快く相談に乗ってあげているのかもしれません。

湊斗は高校生の時から今も変わらず、2人をさりげなくアシストしてきましたからね…。




紬はどこにでもいる明るくあざとい(!)女の子

現実の身の回りでも、紬のように可愛くて明るくて活発で、常に周りに人が集まっているような女の子っていますよね。

そういう子が得をしているような光景を目の当たりにして面白くないと思った経験がある人は少なくないと思います。




silent 紬を嫌いになるのはドラマの狙い

silent 奈々 耳 スマホ 夢

出典:フジテレビ

このようにドラマsilentでは、毎回別の登場人物が主人公となるような構成で、それぞれの人物に感情移入して見てしまいます。

それぞれに共感したりしなかったりしますが、現実の身の回りでも起こり得るようなリアルな出来事や人物像が多く描かれています。




最初は奈々のことが嫌いだった

今でこそ奈々ファンは多く、このドラマで一番共感できると言われていますが、初めからそう思えていましたか?

奈々あざとい」「怖い」「邪魔」とった感情があったと思います。

ただ奈々のことを知っていく上で奈々の気持ちに共感して、今では応援したい気持ちでいっぱいですよね。

湊斗の決断にイラつく人もいる

湊斗ファンも多く、湊斗と紬のペアで居続けてほしかったと願う視聴者は多いです。

ただ、紬との別れを決断したことに大きな憤りを感じた視聴者もいたことも事実です。

別れの理由について「俺がしんどいから」と湊斗は想に正直に伝えていました。これもリアルだと思います。

建前上は相手のためだと言っていても、本当は自分がこれ以上傷つきたくないからが本音だったりするものです。

ここが透けて見えた視聴者にとっては、湊斗が別れを告げたこと自体にイラついたと思います。




silentドラマの戦略 “大人の鑑賞に堪えるラブストーリー”

目黒蓮 ドラマsilent 俳優

俳優 目黒蓮 出典:フジテレビ

このように、最初は嫌いだった人(奈々)が好きになったり、好きだったけど嫌いになったり(紬・想・湊斗)と見る人の感情が大きく揺さぶられていることが分かります。

自分のリアルな恋愛経験と重ね合わせてこのドラマを見た時に、色々と思い出して激しく感情が動かされ、あれこれ言いたくもなります。

村瀬P:今、連続ドラマに求められているものは何だろう、と。考えたのは、派手な展開で盛り上げるのではなく、「好き」という気持ちをきちんと描く、“大人の鑑賞に堪えるラブストーリー”です。

生方さんといろいろ話した結果、今の形にたどり着きました。企画の大枠や、ろう者が登場するという設定は僕が、物語の基本や細かい設定は生方さんが考えました。(引用:フジテレビュー!!)*村瀬P(村瀬健プロデューサー)*生方さん(silent脚本家)




派手な展開より心情を表すドラマ

TVガイド 脚本家生方美久 村瀬健プロデューサー

出典:TVガイド

生方:「基本的に心情に沿って書いています。先々の展開を考えながら書いていても、物語が進むにつれて結局変わっていきました。どこに向かわせるかで物語を作るというよりは、心情のほうを優先して書いている感じです。さすがに今の段階で最後の構想はもちろんあるんですけど、第1話を書いた段階では、最終回をどういう展開にするかとか、何も決まっていなかったです」(引用:マイナビニュース)

ドラマsilentは、身の回りで起こり得る出来事や人物像が多く描かれているので、視聴者は自分のリアルな経験と重なって感情が動かされます。

つまり、紬が嫌いになってしまうのも想定内で、それがこのドラマの狙いだと思います。

つい、紬や想を嫌いになってしまいそうになりますが、また紬や想を好きになってしまうような出来事があってほしいと思います…!

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