大阪万博2025への参加辞退国が相次ぐ中、当初より予算が約2倍に増えたことを受け「中止しろ」との声が多く上がっています。
本記事では、中止の可能性について探ったところ、中止できない理由が6つありました。
膨大な違約金はもとより、盲目的な野望で強行突破し撤退しないのは、日本の政治システムにも原因があるようです。
それでは一つずつ見てみましょう!
大阪万博2025が中止できない理由6選!
大阪万博2025が中止できない理由は6つです。
中止できない理由①違約金が膨大だから
大阪万博2025が中止できない理由は、違約金が膨大だからです。
当初の予算から約2倍に膨れ上がり、「税金の無駄遣いだ、今すぐやめろ」という声が上がっていますが、
今中止してしまうと、多額な違約金や賠償金がかかってしまいます。
国民をはじめ、大阪市民からのこのような意見に対し、大阪市は
2023年3月現在、公表されている基本計画に記載の資金計画(P106)では、会場建設費の支出に対して、国や府市、経済界の補助金の収入を充当し、運営費の支出に対して、博覧会協会が販売を予定している入場券売上やその他収入を充当することとなっており、会場建設費・運営費ともに収支均衡の資金計画が見込まれております。(引用:大阪市)
と回答していました。(掲載日:2023年5月1日)
近畿比例 元参議院議員のたつみコータローさんは11月9日にXで、日本が参加国やBIEに支払う補償費上限は348億円なので、日よけ建築に350億円使うのなら万博を中止すればいいのではと問題提起しています。
中止できない理由②売上など経済効果の損失になるから
大阪万博2025が中止できない理由は、売上など経済効果の損失になるからです。
仮に中止した場合、これまでに投資した交通インフラの整備費やパビリオンの建設費や運営費などの回収がゼロとなり、赤字は確定となります。
さらには、中止した場合の赤字は質が悪い赤字です。
開催し赤字だった場合は、国内で税金が消費された結果ですが、
開催せずに赤字の場合は、参加国など国外に支払う形のため、赤字は赤字でも、内容が悪い赤字となってしまうのです。
中止できない理由③夢洲の開発が目的だから
大阪万博2025が中止できない理由は、夢洲の開発が目的だからです。
夢洲は万博の会場となる場所です。
万博が終わった後の建設物は解体され、跡地には何も残りませんが、人工島・夢洲の開発が当初からの行政目的だったのです。
今から約10年前の平成26年10月に、大阪府・関西経済界は「夢洲まちづくり構想検討会」を立ち上げ、夢洲地区の利用について協議してきました。(参照:大阪市)
万博は、国家プロジェクトと位置付けられています。
東京五輪2020の際、開催直前まで中止を求める国民の声が上がっていたにも関わらず強行突破で開催されました。
五輪の時のきな臭さとほぼ同じような気がします。
それもそのはずで、ごみの島と言われた東京五輪の開催地・臨海部の開発目的がありました。
鈴木氏:「(前略)万博会場の人工島『夢洲ゆめしま』の開発が最大の行政目的だったのだろう。(引用:東京新聞)
夢洲の開発が目的なので中止はできません。
中止できない理由④政治の中枢が制御不能だから
大阪万博2025が中止できない理由は、政治の中枢が制御不能だからです。
一橋大の鵜飼哲名誉教授(フランス文学・思想)は
「(前略)東京五輪が政治権力の中枢の人たちのための五輪だったように、歯止めが利かない裏側には必ず支配的なメカニズムがある」(引用:東京新聞)
と指摘していました。
一度動き出したらもう止めれないといったかんじで、責任の所在が不透明な場合にこうなりやすいですよね。
政治の中枢が制御不能で歯止めが効かないため、中止できません。
中止できない理由⑤過去の成功体験にすがっているから
大阪万博2025が中止できない理由は、過去の成功体験にすがっているからです。
1963年の五輪や1970年の万博の『成功』は、戦後の高度成長期という時代背景があったからこそ成しえましたが、
その時から今に至るまで、五輪や万博をやることで日本は経済復帰するという夢でも見ているような気がします。
実際に、東京五輪2020の開催が決まった2013年頃、五輪さえ日本で開催できれば何とでもなる感が日本に漂っていたと思います。
国学院大の吉見俊哉教授(社会学)は
「(前略)国はその『成功』イメージを使いまわして税金投入を正当化(後略)、
五輪や万博があったから経済成長できたのではなく、経済成長の時に五輪や万博を開催していたに過ぎない。
なのに万博や五輪をやれば成長できるという根拠のない想定で、成功体験にすがっている」(引用:東京新聞)
と語っています。
過去の成功体験にすがっているとしか思えませんね。
中止できない理由⑥メンツを死守したいから
大阪万博2025が中止できない理由は、メンツを死守したいからです。
仮に中止した場合、日本政府は国際的な信用を失うことになりかねないという危惧もあります。
大阪万博2025は中止できないこともない
大阪万博2025は、絶対に中止できないのかというとそうではありません。
規定では、「総会が自然災害とみなすような事態に起因する『不可抗力』により中止された場合は…」記載があります。(参照:東京新聞)
経済産業省博覧会推進室の渡辺栄太朗・総括補佐は
「何が不可抗力に当たるかは具体的に書かれていない。総会で3分の2以上の議決で、その理由が不可抗力だと判断されれば、了承される。
(前略)日本側から中止を言い出すことは全く不可能というわけではない。」(引用:東京新聞)
と語っています。
大阪万博2025は、中止できないこともないということが分かりました。
大阪万博2025の開催地とアクセス
具体的に大阪万博2025の開催地・夢洲はどの辺りなのか、地図とアクセスを見てみましょう。
大阪メトロ中央線を延伸して、新駅「夢洲駅」が開業します。