楽曲「はいよろこんで」が癖になると話題で、『ギリギリダンス』など早速ミーム化が進んでいます。
本記事ではこの楽曲のモールス信号の意味と、最初の言葉は何と言っているのかを調査し解明しました。
その他、歌詞の意味の考察を5つご紹介します!
この楽曲は、優しさと我慢の狭間で葛藤しながらも日々SOSを出すことの重要性を訴えています。
ではなぜSOSがテーマなのか、その理由についても3つ深掘りした結果、作曲者の驚きの背景が見えてきました…!
より詳しくはこっちのけんとwiki経歴でご紹介しています。
それでは一緒に見ていきましょう!
目次
はいよろこんでモールス信号はSOS!
はいよろこんでのモールス信号はどういう意味なのでしょうか。
改めて、ミーム化されていない、元ネタで原曲の「はいよろこんで」を見てみましょう!
モールス信号を変換してみた
「トントントン・ツーツーツー・トントントン」とは、モールス信号でSOSを発信している意味となります。
これが冒頭やサビの部分に何度も入っています。
そもそもモールス信号って知ってるようで知らない気がします。普段使うことないですし。
モールス信号って何?
改めて調べてみると、モールス信号とは、インターネットなどのデジタル技術が普及する以前の長距離通信の重要なアイテムでした。
ドットとダッシュを組み合わせてメッセージを伝える手法で、1791年生まれのアメリカのサミュエル・モールスが発明し、以降、船舶間、航空、戦時中の通信など、重要な伝達手段でした。(参照:translatemorsecode.net)
筆者的にモールス信号で思い出されるのは「天空の城ラピュタ」のこのシーンです。
最初の歌詞の意味も判明!
はいよろこんでの曲の最初に何か言っているけど何と言っているのか分からない箇所があります。
音源を逆再生してみた
最初の箇所にもメッセージが隠されていました。
この部分の音源を逆再生してみると…
「結局はね、優しささえあればいいとは思うんですよ」
と言っています(!)
これは作曲者のこっちのけんとさんが制作の打ち合わせしている時に、何気なく発した言葉なのではないでしょうか。
これがこの曲のこっちのけんとさんの根本的な考えのようです。
この言葉をそのまま使うのではなく、逆再生して秘めたメッセージとして組み込んだのかもしれません。
これはYouTubeのコメント欄ですが、この裏メッセージに気づいた方はすごいです。
こっちのけんとさんご本人も「いいね」と返していました。
はいよろこんで考察5選
はいよろこんでの楽曲にはいくつかメッセージが込められています。考察5つをご紹介します!
①モールス信号SOSを最後まで打てていない
はいよろこんでの楽曲のメッセージ、考察1つ目はモールス信号SOSを最後まで打てていない=結局助けを求め切れていないことです。
「トントントン・ツーツーツー・トントン(トン)」
「えす おー えs…」と言い切る前に次の音源と重なりハッキリとは聞き取れません。
SOSを出したものの結局飲み込んだというような、結局SOSを発信できず仕舞いだったことが感じられます。
こういう人は割と多いのかもしれないと考えさせられます。
②ギリギリダンスは「get it get it done」だった
はいよろこんでの楽曲のメッセージ、考察2つ目は歌詞の中にある「ギリギリダンス」は実は「get it get it done」でした。
確かに耳で聴いていてどうも歌詞のとおり「ギリギリダンス」には聞こえないなとは思っていましたが、
「get it down」と聞こえた人も多いようです。
「get it down」とは、直訳すると「物を下ろす」という意味ですが、
この場合は「肩の荷を下ろす」という表現
に受け取ることができます。
ただ、「get it done」とも聞こえます。
「get it done」(任務を完了させる)
「えーい、やっちゃえ!」というような励ましとも受け取れる気がするなと考えていたところ、本人の解説動画が出ていました。
当初の構想段階では「get it down」だったけれど、最終的に「get it done」にしたとのことです。
動画はその説明パートから始まります。
③3~6マスとは心拍数の正常値
はいよろこんでの楽曲のメッセージ、考察3つ目は歌詞の中にある「鳴らせ君の3~6マス」とは心電図波形の正常値のことでした。
この図で説明されているとおり、心電図の波形が、マス目3~6が正常範囲(50-100回/分)の心拍数が推定されるということが分かります。
心拍数が正常値の範囲内で無理せずに、でもやっぱり「やっちゃえ」といった応援に感じます。
④アニメが昭和漫画風の理由
はいよろこんでの楽曲のメッセージ、考察4つ目はアニメが昭和漫画風の理由についてです。
今でこそうつ病や躁鬱といった病名が広く認知される世の中ですが、今から数十年前の昭和の時代までは精神病についての理解が進んでいませんでした。
そのため、当時は精神病を「キチガイ」と揶揄する言葉もあったほどです。
こっちのけんとさんの言葉を借りると、
我ながら未だにうつ病や躁鬱が理解できず「どこからが”病”なのか」「どこまでが”優しさ”や”我慢”なのか」を見失う毎日(引用:YouTube概要)
現代は、病名を名付けられましたが、厳密な線引きは本人も周りにも曖昧なものかもしれません。
それを今より理解の進んでいなかった昭和時代を敢えて昭和漫画風のアニメをMVに取り入れることで表現したのではないでしょうか。
これは最初の歌詞の『逆再生』にも意味を含ませているのかもしれないと考えました。
時代を巻き戻して昭和をオマージュした作品と言えます。
⑤救われたのは僕のうちの1人とは
はいよろこんでの楽曲のメッセージ、考察5つ目は救われたのは僕のうちの1人というのは、自分の半分は本当には救われていないということです。
どういうことかというと、「あながたがたのために」と周りの望みに適応したであろう対応によって救われたかもしれない自分と、本当は納得がいっていない自分は救われていないということです。
優しさと我慢がないまぜになって、もう1人の自分は救われていません。
なぜSOSがテーマなの?
「はいよろこんで」の曲がバズるにつれて、『ギリギリダンス』の箇所が切り取られてミーム化が進んでいます。
そのため本来のこの曲のテーマである「SOS」が薄れつつありますが、そもそも一体なぜ「SOS」テーマの曲を作ったのでしょうか。
理由①日々SOSを出せる癖をつけたい
作曲者の“こっちのけんと”さんの言葉によると、
「日々SOSを出せる癖をつけたい」
という意図が込められていました。
曲の概要はこちらです。
我ながら未だにうつ病や躁鬱が理解できず「どこからが”病”なのか」「どこまでが”優しさ”や”我慢”なのか」を見失う毎日のため、日々SOSを出す癖をつけたいと思い制作いたしました。
とても辛いことですが、ここで一歩を踏み出して嫌だったことを思い出して、周りが気づくくらい泣き喚くのもグッジョブだと思います。 それに人生は長いので全回復してもまた擦り減ります。 ハートギリギリをキープして有耶無耶に生きてやりましょう。 こんな生きづらい世の中で自分を克服して生きやすくなったとしても、きっとその生き方は心地よくないので「好きなことをしている時だけ本当の自分に戻る」を意識するといいかもしれません。 嫌なことをしている時は「こんなの自分じゃない」と思いますが、そりゃそうです。 そんなのあなたじゃありません。 自分がわがままになれる瞬間や環境を作るのがまずは第一歩なのかもしれません。 僕の場合は音楽を作っている時や妻と休日にマクドを食べるときです。セットにチキンナゲットもつけます。ここぞとばかりに欲張ります。セットの飲み物はミルクです。口頭で注文した時クルーにクスっと笑われました。なんでや。 とにかく、 簡単なので「わがまま空間」を過ごしている時は「幸せやなぁ」って自惚れまくってくださいね。 ・・・ーーー・・・
作詞:こっちのけんと 作曲:こっちのけんと&GRP 編曲:GRP(@GRP_beatz) Mixing Engineer:安宅秀紀(@nman_atk) Recording Engineer:古澤みどり MV :かねひさ和哉(@kane_hisa )
(引用:YouTube概要より)
これは誰かに向けて制作した曲でありつつ、こっちのけんとさん自身の飾らない素直な想いが託されているようです。
理由②2ndシングルは「死ぬな!」
モールス信号にSOSを入れた理由2つ目は、もともと作曲者のこっちのけんとさんが死ぬな・生きようというメッセージを持ち合わせている方だからです。
はいよころんでは6つ目のシングルですが、2ndシングルのタイトルは「死ぬな!」です。
この曲もTikTokウィークリーランキングのtop10入り、MV再生回数1400万回超えなど話題を呼びました。(参照:lit.link)
こっちのけんとさん自身も過去に死にたいくらい苦しんだことがあるのかもしれません。
しかしプライベートでは2024年2月に学生時代からの恋人である女性とご結婚されましたし、苦しみを乗り越え、引き続き、前向きに生きようとされています。
理由③菅田将暉の弟という劣等感
モールス信号にSOSを入れた理由2つ目は、菅田将暉の弟という劣等感があるからです。
「菅田将暉の弟」と言われ過ぎて、こっちのけんとさん本人は、「『菅田将暉の弟』が実は本名なんじゃないか」と思うくらい言われていたと言っていました。
俳優、歌手としも輝かしい舞台に立つキラキラした偉大な兄を持つと下の弟たちが感じるプレッシャーは計り知れません。
常に周りからは比べられ、「菅田将暉の弟」と言われた回数は本当に、本名より多かったのではないでしょうか。
それこそ、先にご紹介した2ndシングル「死ぬな!」は、それこそ菅田将暉の弟でなければ生まれなかった曲だとこっちのけんとさんは言っていました。
とはいえ、こっちのけんとさんは兄・菅田将暉さんを嫌いになるわけではなく、むしろ一番のファンです。
1年間で最も聴いた音楽1位も兄・菅田将暉さんの楽曲でした。
あわせて読みたい:こっちのけんとwiki経歴|音楽歴を時系列まとめ!本名は菅生健人で兄は菅田将暉
Ex)ダルビッシュ有の弟・兄弟も同じ
これと近い兄弟の関係性で思い出されるのはメジャーリーガー・ダルビッシュ有選手の弟たちです。
弟たちは「ダルビッシュ有の弟」として見られることに大変なストレスがあり、次男の翔さんは非行に走った時期もありました。
偉大な兄を持つことへの弊害かもしれません。
これが兄ではなく、偉大な父親に対して生まれるプレッシャーの場合もありますよね。
しかし三男の賢太さんは、兄・ダルビッシュ有選手が大好きであり、誇りであり、一番かっこいいヒーローであり、自分が兄の一番のファンだと密着取材の番組で話していました。
おそらく大きなプレッシャーやストレスを感じていたことには変わりはないでしょうが、こっちのけんとさんと同様に兄を尊敬しています。
はいよろこんでのアニメ漫画はパクリ?
楽曲「はいよろこんで」が爆発的にバズっています(公開1ヶ月ちょっとで1,600万回超え)が、昭和風漫画のアニメーションMVも印象的ですよね。
一部のネットユーザーからは「サザエさんやコボちゃんなどのパクリではないのか」という声も聞かれます。
クリエイターが反論
この批判に対し、アニメーション漫画を手掛けたマルチクリエイターのかねひさ和哉氏は、このように反論しています。
- 特定の作家の絵柄を模倣したのではない
- 昭和30~40年代の「大人漫画」をオマージュした
(特定の作家の盗作だという方は、)一度1960年代の週刊漫画誌を読んでほしい。
その基準だと全員がお互いをパクリあってることになってしまうことがわかるはず(引用:ユーチュラ)
こういうことを言い出したらキリがないのでは?と思いますが、個人的にはデジタルなAI画や美しいグラフィックデザインなどよりも、手書きで、人間臭い感じが感じられるこの昭和漫画風なアニメーションはまた新鮮で良いと思います!
(ちなみに)昭和の名曲「ピンクレディ」のSOSモールス信号は放送禁止だった
はいよろこんでの楽曲の“SOS”のモールス信号ですが、昭和の名曲ピンクレディの「SOS」でも楽曲冒頭にSOSの意味のモールス信号が使われており、モールス信号の箇所だけ放送禁止とされていました。
はいよろこんでも地上波に出た暁には放送禁止になるのでしょうか。
しかし、ピンクレディの時代は今ほどインターネットが普及しておらず、モールス信号のSOSが本当の危機と捉えられる可能性があったかもしれませんが、現代ではどうでしょうか…。
ピンクレディのSOSの場合は時代が時代だった可能性もあります。
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